さて、ここで質問です。
「人類が始まって以来、我々は石油をどれくらい使ったでしょうか?富士山の容量をバケツ1杯として答えてください。」
回答は意外だった。
答えはこちら。
ところで今、太陽光エネルギーがブームのようだ。
資産家や、地方の土地持ちの人たちのところには、複数の会社からソーラーやらないか、土地を貸してくれないか、という誘いの声がかかっているらしい。
今なら高額で太陽光エネルギーを買い取ってくれる、らしい。
さらに、グリーン投資減税で一括償却できるという、よくわからないけどお金持ちや企業にとって嬉しい仕組み。
太陽の光をエネルギーに変える。
その発想はとてもいいと思うが、何やらバブルの臭いも微かに漂う。
制度に問題はありそうだけど、何度も言うが、太陽の光をエネルギーに変えるという発想はとても良いと思う。
ちなみに先ほどのクイズを出されていたリンク先の先生は、光触媒という、これまた太陽光を活用した技術を発見した先生だ。光触媒も、酸化チタンに太陽光を当てることによって、抗菌作用や待機浄化などの作用を起こすことができるというもの(らしい)で、日本で生まれた技術だ。
いいじゃないですか。
太陽の活用。
なんせ、私たち日本は、日のもと。日の昇る国ですよ。
日本の総氏神は、伊勢神宮・日の光をあまねく照らす、天照大神(アマテラス)なのだから。
ところで、アマテラスといえば皇祖神、国を代表する神として有名だけれど、実はもともと地方神であったという話は、意外と知られていない。
最近のニュースによると天皇、皇后両陛下が式年遷宮があった伊勢神宮を参拝されたとのこと。しかし、これは現代になってからのことで、かつては古代より、天皇家が伊勢神宮に公式参拝されたことはなかった。参拝は明治天皇になってからのこと。
祖神(先祖神)なのにおかしい、というのは誰もが持つ印象だと思うけれど、その理由はというと、ようするに元々はアマテラスは地方の神だったから、というもの。
直木孝次郎氏がこの問題で「日の神をまつる地方神の社であった伊勢神宮が皇室の氏神社の地位にのぼったのは奈良時代初期前後である」という見解を発表して広い支持を得たのはすでに四十年以上前のことで、その後この説はほぼ通説として定着している。
ということで、アマテラス以前はタカミムスヒ― 高御産巣日神(高皇産霊神)が皇祖神であった、その理由と背景とは・・・ということが書かれているのが、この本。
アマテラスの誕生―古代王権の源流を探る (岩波新書)
先ほどの直木孝次郎氏の引用も、この本のP78に書かれている。
アマテラスは元々皇祖神ではなく、地方の神だったというのは通説になっているにも関わらず、あまり一般に知られていないと思う。
私もこの本を読むまで知らなかった。
伊勢神宮やアマテラスをめぐっては、色々な謎や憶測が囁かれている。例えば、
・記紀神話のなかで、時にアマテラスは男神のような描写がある・・・といったアマテラス男神説
・既出だが、なぜ天皇家は先祖神にも関わらず、伊勢神宮に参拝しなかったのか
・なぜ先祖神を、遠く伊勢の地に祀ったのか
などなど。
「アマテラスの誕生」を読むと、これらの謎が氷解していく。
タカミムスヒが元の先祖神だったとすると、わかりやすい。
日本古代では、他の国々とは違い、王(天皇)が自ら先祖神を祭ったことはなかったと長い間言われてきた。しかしそれは、アマテラスを先祖神とした場合のことであって、タカミムスヒは年二回、天皇が自ら祭っていたのである。それが「月次祭」である。(P70)
月次祭(つきなみのまつり)とは律令によると6月と12月の年2回行われていた国家的祭祀だが、字のとおり、元々は毎月行われていたのだろうとされている(本居宣長)。
さらにタカミムスヒは普段どこで祀られているかというと、宮中の八神殿という神殿で、専属の大御神巫 によって常時手厚く祀られていたという。
それだけの地位にあったタカミムスヒだが、一般的にはあまり知られていない。が、私にとっては個人的に、身近に感じていた神だった。というのも、第六天について調べていた時、都内のいくつかの神社で、御祭神を第六天から高木の神に変えていたからで、高木の神とはタカミムスヒの別称。なぜ第六天が高木の神に、という謎はまた別の機会にゆずるとして、そんな経緯もあって高木の神については関心を持っていた。
それがまさか天皇家の祖神だった経歴があろうとは。
この本は硬派なわりに読みやすく、何より面白いのでオススメだ。
・アマテラスはどのような神だったのか
・4~5世紀の日本と周辺国との状況はどんなだったか
・タカミムスヒとはどんな神か
・日本の氏族についての考察
・ついでに、国譲りをした大国主とはどんな神なのか
などなど、興味のつきない内容となっている。
しかし、当初はタカミムスヒが天皇家の祖神だとしても、我々にとってアマテラスは長く親しみのある神である。しかも、祖神になる以前、アマテラスが天照大神ではなくオオヒルメだった頃から広く日本人(?)に親しまれていたカミであり、弥生時代から続く古く歴史のある土着のカミである。
そんな日のもとの国なのだから、太陽光エネルギーについては癒着や裏取引など間違ってもないよう、お天道様に恥じない仕組みで進めていってほしいものである。
ちなみに、冒頭のクイズ、リンク先を見れない人のために回答↓
Q.富士山と同じ大きさのバケツがあったとして。石油は、人類始まって以来、何杯使ったでしょうか?1杯、10杯、100杯、1000杯、1万杯?
A.答えは、
1杯の半分。
意外と少ないと思いませんか?
今の太陽光発電の買い取り制度はただの投資になってしまい、これからの電力の需給安定の主力になるかといえばならないと思います。無理に普及しようとして高額の補助金を保証すればよからぬことを考えるのが当たり前というもの。性能や耐久性に問題のある設備を普及して、それを電気料金に上乗せされたらたまったものではありません。それよりも技術開発や品質を担保するために大金を投じるべきだったと思います。最終的には各家庭で完全自立の再生エネルギーのシステムを目指すべきだと思います。それではじめて環境やコストにおいて“地球にやさしい”と言えます。
返信削除それはともかく。アマテラスって天皇の祖先じゃなかったんですか?古事記や日本書紀って?え~?今後のとあるの展開に期待します。
太陽光はお金持ちにとってとっても美味しい状態になってますよね。業者も玉石混交のようですし、問題だらけと感じます。
返信削除アマテラスですが、天皇家の祖先じゃない・・・と言い切ると問題が生じかねない気がするのですが、その可能性も高いですよね。そもそも、ヤマト王朝がどういう成り立ちなのかにもよると思います。首長連合のような時期も当然あったでしょうし、ではその時の天皇家は?とか、アマテラスが天照大神ではなっくオオヒルメの時代はどうだったのか、とか。
日本の神社とその神さまは、よく変わりますからねぇ・・・。
そういえば、今日は亀戸天神に行ってきましたよ。現在の祭神は菅原道真ですが、あそこも元々は別の神のようですね。亀戸天神は大きく立派な神社ですが、元々祀られていた祠の方は、少し離れた住宅街の中にひっそりと形のみ残ってました。