2013年9月30日月曜日

人形の思い出

何らかのマジナイを施すさいに、ヒトガタを使うのは割とスタンダードな方法だと思う。

例えばひな祭りで人形と人との間に関連性を持たされるのもそうだろうし、いまだ多くの神社で初夏に行われる夏越の祓えでは、ヒトガタという紙に人の悪い部分を寄せる。メジャーなところで言えば“呪いの藁人形”もそうだ。また、一部の人たちにとって有名な“いざなぎ流”でも、様々なバージョンの人形を使った呪い調伏法があるという(金槌で叩く法は天神法、針を打ち込む場合は針法、矢を射かけるのは杣法、など)。

呪いというのを私なりに解釈すると、何かがあった時に、それを「呪いだと思うかどうか」が大事で、例えば具合が悪くなり、医者にかかっても良くならない。その時に、これを呪いの影響だと発想できるかどうか、そしてそれを信じられてしまうのかどうか、そこの部分が重要なのだろうと思う。

私は呪詛について知識がないのであまり深入りしないでおこうと思うが、人形というものについて、私の中にうっすらと残る1つの記憶がある。

あれは20年か30年くらい前のことだと思う。

私の住む川口市の、しかも神根地区の某所にて、私は偶然洞穴を見つけた。
大人であればかがんで入れるくらいの穴で、あまり定かな記憶ではないが、奥行は2~3mくらいだったと思う。

自然にできた洞窟なのか、それとも人が作ったものかわからない。川口市には畑が多いこともあって、防空壕などが割と残されていたりする。あるいは、木曽呂の富士塚がかつて胎内くぐりができたように、そういった人工物の1つかもしれない。

人工物か自然のものかわからないが、その穴の奥に、一体の日本人形が置かれていた。しかも、ただ単に落ちていたのではなく、意図的に、しっかりと(まるで祀られているかのように)置かれていた。

子供のいたずらなのかもしれない。
あるいは、何かの信仰があったのかもしれない。呪詛かもしれない。

実際のところはわからない。

その場所は、今は多分無いと思う。

あの時、私は散策のなかで偶然見つけた場所だった。

間違いなく個人の土地だと思うので、具体的な住所は伏せておくが、場所は神根地区である。
近くにはあまり広くない墓地と寺がある。

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