2013年11月22日金曜日

名前ランキングの今昔と、昔の日本の不思議な名づけ方

明治安田生命が、毎年、(たぶん)年末か新春くらいに、名前ランキングというのを発表している。
たとえば2012年はこんな感じ。

男の子
1位 蓮
2位 颯太
3位 大翔
4位 大和
5位 翔太

女の子
1位 結衣
2位 陽菜
3位 結菜
4位 結愛
4位 ひなた
4位 心春

※名前ランキング(明治安田生命)

生まれ年別のも見ることができて、やっぱり名前には時代が現れていて面白い。
例えば、大正元年や昭和元年あたりに生まれると大の字や昭の字が多い。昔は生まれ順を示したあろう漢数字一、二、三という字がつくことも多い。漢字1字だけが多い時期があったりと、見ていて楽しい。

名前というと、最近なにかと話題になるのがキラキラネームというやつだろう。
外国人やアニメのキャラクターのような名前に強引い当て字で読ませる。結構批判が多いようだ。人の名前なんだからほっとけばいいのに、と私は思う。「子どもが可哀想」なんて意見も聞かれるが、勝手に人を不幸と決め付けるのもどうかと思う。

まぁ、本当に子どもが嫌がっている可能性もあるけれど・・・。


とはいえ、変わった名前を子どもにつける、というのは、案外昔からあるものらしい。
というか、昔の日本はもっとすごかった。


日本の神々 (岩波新書) から引用する。

「金久正によると、奄美で明治初年の戸籍簿に記載された人名に、糞兼、赤まり、まりっ子などの名前があるという。このなかの“まり”は糞を垂れるという意味である。」

この他にも、南方熊楠が古代の日本人の名として屎(くそ)のつく名前があることを紹介している。アイヌでも小さな赤子を「汚物まみれ」、「小さなうんこ」などとよんだりしていたらしい。

さんざんなものである。

このような名前を付けるのには、呪術的な目的があったようだ。
そのほかにも、出典は忘れたが、生まれた赤子に×の字をつけたり、あまり立派な名前だと狙われるから(何に?)と、変な名前をつけたりと、色々な工夫があったようだ。


ところで、私の家系をたどっていくと、ある名前が頻繁に出てくることに気がついた。個人情報にもつながるので書けないが、その名前は江戸時代以降、数代置きに名乗られている。例えば関東郡第だったとされる伊奈半左衛門の半左衛門も度々名乗られているが、私の家系はそんなに大きな家ではない。このように、その家で繰り返し使われる名前というのもあるようで、ここにも何か意味があったと思うのだが、詳しいことがわからない。ちょっと変わった読みをする名前なのだ。

みなさんも辿れるようであれば家系をたどってみるのをおすすめする。色々と発見があり、面白い。自分の血筋、家のご先祖様となればなおさら面白いと思う。案外、親の親の親くらいになると、名前を知らないという人が多い。もったいない。


どちらにせよ、子供が生まれた瞬間、親は何かしらの強い想いをもって名をつける。その自由を、ある程度は尊重していいのではないかと思う。むしろ、名前について仮にいじめる子どもがいるようであれば、「人の大切な名前をいじめる道具にしてはいけない」と注意して教えるのが大人の役目ではないだろうか。

さて、今年はどんな名前がランキングに顔を出すのでしょうか。

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